【書評・感想】「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 」ハンス・ロスリング 著

こんにちは!
ろんじぱぱです!

ようやくコロナの第一波が収縮する兆しが見え始め、自粛ムードが解除の方向に向き始めてきました。まだ感染者数が増える第二波の懸念はあるにせよ、経済活動が復活するのは大変喜ばしいことです。

今回紹介するのは2019年で年間第一位を飾ったベストセラーで、ビル・ゲイツが大絶賛して大学の卒業生全員にプレゼントしたという逸話を持つ名著を取り上げます。

幸い、コロナウィルスが拡大する前にこの本を読んだことがきっかけで、マスコミの情報のみならず様々な情報を客観的に取り入れ、情報を正しく理解して闇雲に不安と恐怖で怯えることなく、極めて平穏に過ごすことができています。

2011年の東日本大震災、毎年繰り返す自然災害、そして今回のコロナウィルスと、私たちの環境は常に安定の影に不安要素がついて回ります。

「ファクトフルネス」とは事実に基づいて冷静に判断するという技法。

大切なことは恐怖と不安で思考停止にならず、恐怖を正しく理解し、コントロールすること。

情報に踊らされず「正しいモノの見方」を養う意味でぜひ読んで頂きたいおすすめの一冊です。

この本に魅せられたキラーフレーズ

世界は恐ろしいと思う前に現実をみよう。世界は、実際より恐ろしく見える。メディアや自身の関心フィルターのせいで、あなたのもとには恐ろしい情報ばかりが届いているからだ。

著者紹介:ハンス・ロスリング

1948年にスウェーデンのウプサラで生まれた。ウプサラ大学で統計学と医学を学び、インドのバンガロールにある聖ヨハネ医科大学で公衆衛生を学んだあと、1976年に医師になった。1974年から1984年までの間に合計で18カ月仕事を休み、3人の子供の子育てに100%の時間を注いだ。1979年から1981年まではモザンビークのナカラで地域担当の医師として働き、それまで知られていなかった神経が麻痺する病気を発見した。それがコンゾだ。この病気の調査と研究によって1986年にウプサラ大学から博士号を取得した。1997年からはストックホルムにあるカロリンスカ医科大学でグローバルヘルスの教授を務めた。専門は、経済発展と農業と貧困と健康のつながりについての研究だった。カロリンスカ医科大学で新しい授業科目を開講し、提携研究を立ち上げ、グローバルヘルスについての教科書を共著した。2005年には、息子のオーラとその妻のアンナと共にギャップマインダー財団を設立。スウェーデン科学学会の国際分科会メンバーであり、スイスの世界経済フォーラムのグローバル・アジェンダ・ネットワークにも所属していた。2009年にはフォーリン・ポリシー誌からグローバル思想家100人のひとりに選ばれ、2011年にはファスト・カンパニー誌から世界で最もクリエイティブな100人のひとりに選ばれた。また2012にはタイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人のひとりになった。2017年2月7日に他界した。

「BOOK著者紹介情報」より

ファクトフルネスは父ハンス・ロスリング、息子夫婦のオーラ・ロスリング、アンナ・ロスリングの共著です。2015年に三人で執筆が始まり、2017年にハンス・ロスリングが他界後、遺志を継いだ二人が2018年に出版しました。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

この本を読んだ感想

これまで私自身が思っていた世界の縮図である「先進国」と「発展途上国」。

早くから先進国の仲間入りをした私たちは、つい他のアジアの国々の人々を見ると、なぜか日本人であることに優越感を覚え、彼らを下に見るような目線で見たことはないでしょうか?実際私もそんな一人でした。

しかし、世の中は確実に変わってきています。私が北京を初めて訪れた時は2000年、当時はたしかに自転車の数が半端なくて、まさにテレビで見た摩訶不思議な光景が目の前にありました。

しかしたった20年で今では、完全にキャッシュレスで日本を周回遅れにして、テクノロジーに関しては日本を完全に凌駕しています。

マスコミでは日本の素晴らしさや日本の誇りなどをクローズアップしたりして、私たちのプライドをくすぐってくれますが、現実は違います。

我々日本は個々の資産では中国の中間層にすら負けている事実を受け入れなければなりません。これは負け惜しみではなく、現実なのです。

ファクトフルネスは世界を見る上で陥る10のバイアスをヒントに正しい世界の見方を教えてくれる非常に価値のある一冊。

これまでの思い込みが如何に誤っているのかを事実のデータを元に紐解いてくれ、これまで習った知識をアップデートする大切さを痛烈に教えてくれます。

またこの本が名著たる所以は、この世界を正しく見る10のバイアスの本能を、そのまま私たちの日常における判断としても非常に応用ができ、役立てることができることです。

特に今、未曾有のコロナウィルスの不安感で包まれている私たちは、本書に書かれている10の「思い込み」に数多く陥ったことが自身を通して実感できるはずです。

世界を見る着眼点が変わり、また日常で接する情報の着眼点も変わる名著。

コロナウィルスに苛まれている今だからこそ、特に読んで頂きたい一冊です!

気になったキーワードをピックアップ

この本を読んで目からウロコのキーワードを解説します。

人は恐怖に触れると過大視する心理が働く

「危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込み」恐怖本能。

ファクトフルネスとは「恐ろしいものには、自然と目がいっていしまう」ことに気づくこと恐怖と危険は違うことに気づくこと

ファクトフルネスより

このコロナウィルスで学んだ大切な教えは、恐怖に対する「私たちの気持ちの変化」です。

去年の12月から1月にかけて、中国で謎のウィルスは流行っている時の私たちの態度は正に「対岸の火事」。「また中国でなにかやってるよ」みたいな物見遊山の気持ちでいたのではないでしょうか。

そこからクルーズ船内の感染、春節での中国人の来客と国内は徐々にコロナ感染者が広まっていきましたが、まだまだ自粛ムードにはなりません。

しかし志村けんさんが3月の終わりに亡くなった時、初めて私たち日本全体が「コロナの恐怖」を実感したのではないでしょうか。

当時小池知事が志村けんさんがコロナの危険性を届けたといって批判されましたが、あの指摘はとても実感ができるものだと覚えています。

その後は一転して私たちのコロナに対する反応は極端に変わります。恐怖に怯えた私たちはマスクが急激になくなり、所構わず買い占めに走る異常事態に突入したのです。

恐怖が拡大視されると私たちは判断能力を失います。

「無くなる」という恐怖から逃れるために生活用品を手当り次第買い漁る。また自粛が呼びかけられるのにも関わらず、スーパーはぎゅうぎゅう状態ともう何が何だか分かりません。

その反面で、人っ子一人いない場所に行っても有名人が批判されるなど、とにかくも判断能力の低下で様々な極端な批判が生まれ易いことを目の当たりにしてきました。

心配した時の対処法はシンプル。自分ができることだけを正しく心配すればいよいだけです。

コロナでいえば、野菜中心の食事で免疫力の向上、重症率を下げるための運動など肥満防止、マスク、手洗い。これに尽きます。

過度に恐れず、正しく恐れる。今回のコロナはまさに私たちの心の強さを試されているような気がしています。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

他人のせいにばかりしていては物事は解決せず、成長もしない

「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み。犯人探し本能。

ファクトフルネスとは誰かが見せしめとばかりに責められていたら、それにきづくこと。犯人ではなく、原因を探そう。

ファクトフルネスより

今回のコロナでも政府に批判が常に吹き荒れています。初期対応からアベノマスク、そして給付金に至るまで、常に批判の嵐。

批判したくなる気も分かりますが、いくら批判した所で私たちの今置かれている現実は何も変わりません。

大切なことは他人の批判に時間を使うのではなく、自分がコロナに対して何ができるのかを考えたほうがよほど生産的だということです。

当時の私はコロナウィルスを防ぐ最善の方法は免疫力しかないと考え、とにかくこれまで以上に野菜を毎日摂取していました。

コロナ対策 サルサソースサーモンサラダ 鶏胸肉サルサソース添え

自分を過去最高の免疫力を備えることで、もしウィルスにかかっても最善を尽くしたと自分自身を納得させることができています。

世界各国でウィルスが大流行していることを見れば、どの政府が対応しても難しかったのは明らか。

過度に政府の政策をあれこれ批判するより、「自分自身がコロナに対して何ができるのか」に目を向けることの大切さを本書は教えてくれています。

「止まない雨はない」「諦めたらそこで試合終了だよ」に隠された意味

「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み。直線本能

ファクトフルネスとは「グラフは、まっすぐになるだろう」という思い込みに気づくこと。なんでもかんでも、直線のグラフをあてはめないようにしよう

ファクトフルネスより

今私たち人類は76億人。このままひたすら世界の人口が伸び続け、いつしか地球全体が食糧危機になってしまうなどのウワサを聞いたことはありませんか?

この人工が「ひたすら」増え続けるという幻想を本書は、事実のデータを用いて明確に否定しています。

発展途上の国の人々が多くの子どもを生むのは、生活のためにやむを得ぬことであり、もし生活の質が上がれば子どもの数は減り、一人ひとりの子どもに良い教育を受けさせるよう気持ちが変化するからと述べています。

現在急激に増えている世界の人口は、少しづつ減速に転じ、2,100年頃には100億から110億の間で安定すると見込まれています。

ずっと直線で進むと思われているグラフでも、その先には直線になるとは限りません。直線思考の「思い込み」から抜け出る必要があるのです。

これは現実の私たちの生活でも容易に応用が可能です。

私のケースでは、娘の自閉症の育児、またはコロナウィルスが該当します。

ちょうど2月−3月は娘が毎日奇声を上げ、もう手に負えない状態。そんな中でコロナウィルスの脅威も徐々に感じてきた時で、言われようのない不安感に包まれ、まさしく先の見通しが立たず、絶望の淵にいました。

4月にようやく娘を医者に連れていくことができ、薬を処方されて今では当時より確実に落ち着きを取り戻していますし、同時に猛威を奮ったコロナウィルスも一旦の落ち着きを取り戻しつつあります。

私たちが不安感に包まれると現在だけでなく、未来永劫ずっとこの不安が続くように拡大視しがちになり、精神を病みがちになります。

本書は、見えないグラフの先には方向性が変わり、改善するという、私たちがネガティブ思考にとらわれている時に忘れがちな大切な教えを説いてくれています。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

さいごに

コロナウィルスの不安感は正に私たちのネガティブ本能を増幅させています。マスコミは自粛、自宅待機を何度も呼びかけ、自粛警察まで出てくる有様。

ところがどっこい、地元のスーパーに行けば常に人が溢れており、ソーシャルディスタンスはどこ吹く風。

つい先程、特別警戒が外れた瞬間に、各所人混みにあふれかえるという現状を見るにつけ、「今まで何だったんだ」と、そのコントラストに可笑しさが込み上げてくるところです。

ひとつの情報を鵜呑みにせず、多角面からその事実を見て、最後は自分で判断する大切さを本書は教えてくれます。

大切なのは”他人ではなく、自分を信じて自分で判断すること”

自宅待機がすべて正義とは言い切れません。誰もいない公園に行っても不謹慎呼ばわりされる有様。実際に少しでも外出することを敵視するような行き過ぎた世論がありました。

語弊がありますが、私はむしろ、そのような世論に飲まれて肝心な自分が思考停止することを何よりも危険だと思っています。

「空気を読む」ことに重きを置く日本に身を置く中で、自己判断能力を磨くきっかけを与えてくれる貴重な一冊で、読んで後悔することは決してない名著です。

ぜひこのコロナのこの時期こそ、読んでみることを強くおすすめします!

私のブログが今回紹介した本を手に取るきっかけになれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

【書評・感想】「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 」ハンス・ロスリング 著
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