【読書・おすすめ本】「にんげんだもの」相田みつを著

こんにちは!
ろんじえぱぱです!

前回のブログで相田みつを氏の「生きていてよかった」を紹介しました。

書評 生きていてよかった 相田みつを

禅、仏教、マインドフルネス。馴染みのない人にはとっつきにくいイメージがあると思いますが、共通するのは「周りの環境や人間関係など自分の外部でなく、自分の気持ちの動き、内部に焦点を当てる」ことです。

私たちは目を通して得た情報に対し、脳が過去の経験から「いい」「わるい」の「解釈」と「感情」を加えて情報を処理して必要に応じて記憶に残しています。

言い換えれば、私たちはそれぞれの色メガネをつけて物事を解釈しているのです。

同じ出来事を経験しても人によってストレスの程度や心の回復力が異なるのは、色メガネによる解釈の違いから生じます。

自分の心に焦点を当てることは、生きている中で少し歪んでしまった私たちの色メガネの度数を調節すること。

正しい距離感で物事を見ることができれば、人生に起きる様々な出来事に対して心をより正しく接することができるようになります。

そんな魅力たっぷりの禅の世界に誘ってくれる相田みつを氏の魅惑のフレーズを引き続きご紹介します。

この本に魅せられたキラーフレーズ

つまづいたりころんだりするほうが自然なんだな 人間だもの

相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 道

相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 道

著者紹介:相田みつを

大正13年、栃木県足利市生まれ。書家・詩人。旧制栃木県立足利中学校卒料。旧制中学の頃から短歌、禅に出会い、独特の世界観を書として表現する。昭和59年、『にんげんだもの』出版を機に、多くの日本人の心をとらえ、根強いファン層を広げた。平成3年12月、67歳で逝去。

出典 : にんげんだもの

この本を読んだ感想

相田みつを氏のメッセージは実にシンプル。シンプルが故に迷いや飾りがなく、ストレートに心に入ってきます。

相田みつを氏から学んだフレーズは普段、私の心の奥底に鎮座していますが、私の価値観がいざ危機に晒されそうになった時に、突如として海面に浮き上がり、私の心のバランスを整えてくれます。

数多くのテクニックなどを網羅した自己啓発系の本とは一線を画した、私たちの心の根に栄養を注ぐような相田みつを氏の作品は、私たちが人間である以上、今もそしてこれからも、心の中で生き続けると心から思いました。

気になったキーワードをピックアップ

この本を読んで目からウロコのキーワードを解説します。

自分だけ大丈夫という心理

アノネひとのことじゃないんだよ じぶんのことだよ

「にんげんだもの」より

「自分だけは違う」「自分は最高」「俺か俺以外か笑」

私たちは、自分の顔が見えないように、自分自身については常に主観的であり、自分の性格を客観的に把握することは非常に困難です。

自分のことをよく分からないが故に、私たちは自分のことは棚に上げて他人に対しては批判的になりがちです。

自分のことが正しい思い込み、それを裏付けるために正当化する言い訳や解釈を次々とかんがえつくことを認知バイアスと言います。

現在のコロナウィルスの外出自粛要請の最中でも「自分だけは大丈夫」と正当化する心は全く衰えず、日に日に感染者数が増加しています。

災害時に「自分は大丈夫」と思う傾向は正常化バイアスと言われ、今回のみならず、洪水などの災害で逃げ遅れてしまう原因のひとつになっています。

これほど大きなニュースになっていても「自分だけは大丈夫」というバイアスを破ることは難しいとするタイムリーな証明ですね。

ダンニングクルーガー効果も自我を形成している私たちが陥りがちなバイアス。

能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアスの一種です。

無知であればあるほど「全て分かってる」と思い込んでいた、30代の私を描写する痛烈なバイアスです。

正常化バイアスとダニングクルーガー効果についてはこちら

書評 チーズはどこへ消えた

”じぶん”のという一番分かっているようで分からぬものが私たちの”自我”。

「他人ばかり見ている暇があったら、まず自分をよく見つめなさい」と相田氏からささやかれているような気がします。

相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 道

相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 道

人の価値は何で決まるのか

にんげんはねぇ人から点数をつけられるためにこの世に生まれてきたのではないんだよ 

「にんげんだもの」より

このフレーズは現在の私たちの価値観に疑問符を投げかける大切なフレーズです。

私たちが子どもたちに描かせる夢は何でしょうか?十人十色ではありますが、医師、スポーツ選手や一流企業の会社員、今ですとEスポーツ選手やYoutuberなどがあるかもしれませんね。

私たちは親の夢や自分の夢に思い描く通りの夢を実現したことを一流の職業ととらえがちです。

では、もしあなたが夢破れて、一般の企業や派遣社員、心ならずアルバイトをしていたらそれは二流、三流なのでしょうか?

お金や社会的な地位で言えば、確かにそうかもしれません。世間的な評判は必ずしも良くないでしょう。

しかし、私たちの人間社会は全ての人がそれぞれの場所で支えないと成り立たない社会であることを忘れてはなりません。

例えば、お腹を減らしたスポーツ選手に笑顔で食事を提供する定食屋さん、華やかな舞台の裏で準備をして万全な状態をサポートするスタッフや清掃員など裏方の人々。

スポーツ選手ひとつを例にとっても実にたくさんの人々に支えられてはじめて、選手一人が輝く舞台が用意されます。そこに一流、二流も関係ないことが容易に理解できます。

では何が人々を一流と二流に分けてしまうのでしょうか?

一流二流を決めるのは職業でなく、職業に対する姿勢です。

私たちはつい地位が高い職業を尊び、地位が低い職業を蔑む傾向があります。世間体や親なども当然その考えを後押しして、現在の「お金教」である資本主義の中での地位獲得にみな躍起になります。

ユリとタンポポ、ひまわり、コスモス。どれが美しいか、価値があるか、優劣をつけられますでしょうか?

ユリが一番高く売れるから価値がありますか?そう点数をつけるのは私たち人間だけです。どの花も一生懸命に花を咲かすだけ。人も同じ。

そこに優劣はなく、みな同等に尊いことに気づくことが多様性の現代ではもっとも大切な心の姿勢なのです。

「生きていてよかった」に収められている「花はただ咲く。ただひたすらには、地位に関係なく、純粋に行為に没頭することが尊いことだと気づかせてくる印象深いフレーズです。

大切なものは目に見えない

花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根はみえねぇんだなぁ

「にんげんだもの」より

を成功や成果と例えると、はそのプロセスでありは私たちの行為、そしてその行為を支えるは紛れもなく心の持ち方であり、マインドセットです。

成功に通じる栄養の全ては根である心のマインドセットから届けられます。

心の持ち方ひとつを変えると私たちの日常が少しずつ変わり、そしてその連続性である人生も大きく変容する可能性があるのです。

書評 心の持ち方

成功したスポーツ選手をみると、兎角その華やかな結果のみが強調されがちですが、彼らの日常は恐ろしく地味な練習の毎日。練習の中で自分に向き合い、挑戦を続け、失敗を受け入れたのちに栄光にたどり着けます。

優雅に泳ぐ白鳥が水面下では足をバタつかせているように、貴賤を問わず人生を充実している心の成功者はみな、すべからく日常を疎かにしていません。

目に見えぬ「心」という資産に重きを置く姿勢を説いた大切なフレーズです。

考えてばかりで行動できないデメリット

アノネ がんばんなくてもいいからさ 具体的に動くことだね

「にんげんだもの」より

ダイエットで痩せたいと願っても何も変わりません。初めてみることが最も大切どんなダイエット方法でも構わないのでひとつ試してみましょう。

どんなダイエット方法でも一週間挑戦してみると、挑戦した結果、一週間後に私たちの心理変化とダイエットの結果を心と体を以て知ることができます。

思ったようなダイエットの期待に対する答えは出ないかもしれません。しかしその結果を受けて次に今のダイエット方法を変更すべきか否かということが具体的にはっきりします。

「試行錯誤」とは文字通り「試しに行う」と「間違いや誤り」が混ざりあった言葉。全ての道にはトライアンドエラーが必須なのです。

「冷暖自知」とは水の冷暖は飲んでみないと分からないことを示した禅語。

ダイエットが成功するかしないかは、実際ダイエット方法をひとつ選んで試してみないと自分に合うかどうか分からないのです。

行動が伴わず腰が重くなると、口がかえって軽くなり、始められない言い訳を並べ立て始めるセルフハンディキャッピングというバイアスが働きます。

セルフハンディキャッピングは自らにハンディキャップを課すことで、たとえ失敗した時でも他のせいであると言い訳ができるようにして自尊心を守る。成功した時はハンディキャップがあるのに成功したと自己の評価をより高められる予防線を張る防御的な行為

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「時間があれば」、「お金があれば」などの「たら、れば」は典型的なこのセルフハンディキャッピングのバイアスによる言い訳そのものです。

「考えること」と「やること」。このふたつの間には非常に大く深いクレパスがあり、その渡る恐怖感ゆえにほんの一握りの人しか実際行動に移せないことは事実。

それだけ私たちの脳は安定や怠惰が好き。その誘惑を乗り越えることは容易ではないのです。

その壁を乗り越える唯一の希望の橋は「やってみたい」という好奇心のみ。

好奇心による情熱がドーパミンの脳内ホルモンを活性化させて、挑戦を快楽に変えていってくれるのです。

挑戦を前に考えたら最後。脳がやらない理由をすぐ並べ始めてしまいます。もしおぼろげに「やりたいな」と感じたら熱が冷めぬうちにすぐ行動を起こしてみましょう!

相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 道

相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 道

さいごに

禅の源流となる曹洞宗の開祖、道元の言葉に「仏道をならふというは、自己をならふなり」というものがあります。

悟りを開くことはあらゆる偏見に凝り固まった自我から離れ、物事をあるがままに見ることができるようになる究極の心理状態です。

子どもはみな生まれながらに仏心を抱いて生まれてきますが、大人になるにつれて、育つ環境で生き残るために、様々な経験と知識、知恵を身につけるようになります。

それが老若男女問わず持つようになる”自我”の形成になりますが、その自我が時折、心の本音と折り合わず、体調やメンタルに不調をきたします。

相田みつを氏のフレーズをきっかけに今一度、子供心のような”ありのままのものをありのままに”見つめられるようになる心を目指す、禅やマインドフルネスを始めるきっかけになれば幸いです。

私のブログが今回紹介した本を手に取るきっかけになれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

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