こんにちは!
ろんじぱぱです!
私たちは十人十色みな個性があり、国、宗教、文化、言語などさまざまな多様性があることは周知のとおりです。
しかしながら同じ人である以上、私たちは脳というほぼみな同じOSが備え付けられています。このOSは似たようなプログラムが仕組まれていて、私たちは無意識のうちに自分の意志で選んでいるようで、じつは様々な脳の誘導プログラムの影響を受けています。
そのような私たち固有の脳のプログラムを研究したのが心理学であり、例外は常に存在するものの、大多数の人々が同じ傾向があることが研究によって判明しているものばかりです。
心理学を多少なりとも理解することで、これまで説明できなかった事象に対して論理的に理解することができ、思わず「へぇ〜」っと唸ってしまうものもあります。
今回はそのような魅力たっぷりの心理学に気軽に触れることができる入門としてふさわしい一冊を紹介します。
この本に魅せられたキラーフレーズ
「勉強しろ!」と言われると、急に勉強したくなるわけは「心理的リアクタンス」と呼ばれる「自分のことは自分で決めたい」という本能が脅かされるため
著者紹介:清田予紀
心理カウンセラー。ペルソナ学会主催。早稲田大学卒。自己表現をうながす心理学講座や講演、カウンセリングを通じて主に若者の心理をモニタリングし、その研究成果を著作に活かしている。
.「BOOK著者紹介情報」より

この本を読んだ感想
私たちは理性的に考えて行動していると考えがちですが、時に「なんで?」と思われるような不思議な行動をしてしまうこともあります。
そのような、これまでの生活で思わず「あるあるっ!」とうなずいてしまうような事象について、ひとつひとつ丁寧に心理学の用語を用いて説明しています。
本で紹介してる心理学用語は多岐に渡るため、ひとつひとつの心理学用語の説明は若干浅くなっていることは否めませんが、内容が簡単で分かりやすいため、スラスラと読めてしまいます。
まさに心理学の用語集のような本で、我々の不思議な行動を論理的に明確にしてくれるので、心理学の魅力に触れることができる一冊です。

気になったキーワードをピックアップ
この本を読んで目からウロコのキーワードを解説します。
人が思い通りにならないワケ
「勉強しろ!」と言われると、急に勉強したくなくなるわけは「心理的リアクタンス」と呼ばれる「自分のことは自分で決めたい」という本能が脅かされるため
「それ、「心理学」で説明できます! 」より
子育てをしてる人にとって永遠のテーマですよね。
私も娘の将来を思い、教育と考えあれこれ指示してしまうと、結局反発してやらないという、よくある現象です笑
それを明確に説明するのが「心理的リアクタンス」という心理学用語です。
「心理的リアクタンス」とは、選択する自由が外部から脅かされた時に生じる、自由を回復しようとする反発作用のことです。 わかりやすく言い換えると、人から何かを強制されたとき、反抗心を持ちやすくなることとなります。 人は生まれながらに、自分のことは自分で決めたいという欲求を持っています。
世の中のギモンを解決するメディア『スッキリ』より
私たちはみな自由を好む本能をもっています。「自分のことは自分で決めたい」という本能が備わっていて、外部から強制されるとその自由が脅かされてると無意識に感じて抵抗するのです。
良い大学に入る子どもの家庭をテレビが放送したりすると、押し付けの勉強ではなく、「子どもは自発的に勉強している」というのをよく耳にします。
自分で決断を下すことで感じる高揚感を「自己決定感」と呼びます。
自己決定感は外部からの評価、賞罰、強制などの人為的な刺激による「外発的動機づけ」ではなく、内面に起こった関心や興味から生じる「内発的動機づけ」から生じます。
自己決定感が高ければ高いほど、モチベーションが自分自身で高まるようになり、誰の指示を受けずとも「やる気」が勝手に湧き出てくるのです。
では、どうしたらうまく人を導けるのか?
私が実際家庭で実践して効力があると感じる方法を紹介します。
- 絶対に「〜しろ」と命令せず、「Let’s」の形で「〜しようか?」とお願いする。
- 何かを指示「What」したら、やり方「How」については例外を除き、なるべく口を出さず、子どものやり方を尊重する。
- 何かをお願いした時点で、たとえ期待に添えなくても絶対批判をしない、よりよい方法はアドバイスとして教える。
- やり終わったら「ありがとう」と感謝する。
命令される側を自分の身に置き換えれば、自分が言われた時に気持ち良くなるかどうかは明白です。
私のやり方が効力があると実証しているのは、私の母のやり方が昭和式で命令形なため、娘の指導に大変苦労しているからです笑
「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」
ということわざがあるように、私たちは常に自由に憧れを持っています。
「自由」というのは全く周りの制約がないことでなく、制約があるなかでも「自己決定感」を持ちたいことなのだと理解しています。
身体は環境に色々縛られて身動き取れないけど、心までは縛られたくないという私たち人の真理をよく表している心理です。

「もったいない」の美徳のワケ
使わないままの試供品を捨てられないのは自分の所有するものに価値を感じ、手放すことを惜しく感じる「保有効果」の心理効果が働くから
「それ、「心理学」で説明できます! 」より
私が幼少期から植え付けられてきた「もったいない」という日本の美徳。ものを大切にするという観点で言えば、昔、生活に苦労していた世代からの大切な教えのひとつであることは間違いありません。
しかし、現在のようにモノにあふれる時代になると、その考えに異常に固執すると、時には足を引っ張られることになりかねません。
「もったいない」の美徳は無論「大切に扱う」という心がありますが、その反面デメリットとして心理面での「保有効果」が挙げられます。
「保有効果」とは、現在所有している物・環境の価値について、それを所有していないときよりも高く感じ、その物・環境を手放すことに強い抵抗を感じる心理効果です。
beehave 「心を動かす」WEB広告の情報メディアより
私たちの脳は生存のために、得すること(リターン)よりも損すること(ロス)に関して、私たちの感情が激しく揺さぶられるように進化してきました。
私も株式投資を行う際に身にしみてわかるのが、株価が下がった時に損失を確定させる「損切り」がうまくできないこと。
テクニックは分かっていても、いざとなったら躊躇してしまうのはこの「保有効果」の心理です。
私も以前、断捨離の一環で、10万円で買ったルンバが壊れて、捨てることを決めたことがあります。
捨てると決めたときには、あれこれ思い悩みましたが、思い切って捨てたことで、その後の心が身軽になったのを今でも覚えています。
その当時を振り返った記事はこちら
また保有効果と同時に「もったいない」気持ちを後押しするのは「サンクコスト効果」です。
サンクコスト効果とは埋没費用とも呼ばれ、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
どう見ても今はもう着ない服や、使っていない食器、家具などありとあらゆる「もったいない」は上の2つの心理効果に縛られています。
思い出の品に感情が募れば募るほど、大切さが増してきて、結局捨てる機会を逃してしまいます。
過度なモノに囲まれた生活は、いわば思い出という「過去」に縛られた生活。過去に思いを馳せる分、意識が今現在に向かず、現在の行動がおろそかになる可能性があります。
過去のものをきっぱり捨てることによって、私たちの意識を「過去」から「現在」へと意識的に変えることができるのが断捨離です。
過度な「もったいない」に気をつけましょう。
ダイエットが続かないワケ
ダイエットしてもリバウンドしてしまうワナには「どうにでもなれ効果」という心理が働くから
「それ、「心理学」で説明できます! 」より
なかなかフザケたネーミングですが、立派な心理学用語です。しかしこの心理学用語ほど私たちに馴染みがある心理効果はないでしょう。
私もこれまで禁煙やダイエットなどあらゆるものを克服してきましたが、習慣化されるまで幾度となく途中で挫折した経験があります。
禁煙中にたった一本のタバコを吸ったり、ダイエット中にポテチやケーキをちょっと食べただけで、勝手に自分の意志の弱さを悲観して自己嫌悪に陥り、まさしく「どうにでもなれ!」と思い、自暴自棄に走る心理です。
今でも色々感情コントロールを頑張っているのにもかかわらず、我慢できずに娘を怒ってしまったりすると、今までの苦労が報われなかった悔しさに包まれ、ちょっとやけっぱちな気持ちになりがちです。
私たちは努力している途中で一度失敗に見舞われると、どうしても「自己価値」や「自尊心」が低下します。その価値の低下に、私たち自身が恥や罪悪感を感じて、これまでの努力を投げ出してしまう傾向にあるのです。
しかしよく考えれば、ダイエットでも何でも失敗したのはたった一度だけ。残りはすべて成功していると冷静に自分を見つめて、褒めて自己価値を上げれば、少なくとも自暴自棄にはなりにくいはず。
名アスリートが名アスリートたる所以は、数多く失敗に心が折れずにやり続ける意志力を維持し続けたから。名打者イチロー氏ですら打率が4割に満たない例は、失敗を受け入れる意義を説明する理由として、よく例えられる話です。
もしどうしても失敗のストレスに苦しむようなら、失敗の時に「私はダメだ」の代わりに、自分にかける言葉掛けを変えることが有効です。
以前紹介した、自分の脳の認知を変える「リアプレイザル」は「どうにでもなれ効果」を防ぐ手段としてぜひおすすめします。
さいごに
自分の心の動きを少しでも論理的に分かるようになればなるほど、自分自身を客観視することができます。
自分を客観視できると、主観的な感情から少しでも離れることができるようになって、より冷静で正確な判断を下せるようになります。
心理学は言わば私たち人の取説です。より自分の心の動きを知ることで、自分自身を理解できれば、その取り扱いも少しは楽になりますよね笑
私たちのすべての行動の底辺には心の動きがあります。
この本を通して心理学に興味を持つきっかけになってくれれば幸いです。
私のブログが今回紹介した本を手に取るきっかけになれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。