こんにちは!
ろんじぱぱです!
人は不完全な生き物とよく言われます。
常に目標を立てて気高く生きたいと思いきや、目の前のお菓子、娯楽に目がくらんでは、自己嫌悪を感じつつ、また一日が虚しく過ぎていきます笑
私も筋トレしつつも、どうしても毎日のお菓子がやめられず、今も四苦八苦中〜今では70%のチョコを食べ放題にすることでなんとか自分の脳を慰めています笑
「行動経済学」という言葉を聞くと非常にお硬い印象を受けますが、この本を手に取るとその思い込みが一変します!
行動経済学とは、経済学の数学モデルに心理学的に観察された事実を取り入れていく研究手法である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
行動経済学は当初は主流派経済学に対する批判的な研究として生まれたが、1990年代以降の急速な発展を経て米国では既に主流派経済学の一部として扱われるようになった。
日常の「ある!ある!」がテーマになっていて、非常に共感しつつも、如何に私たちが様々な「思い込み」によって直感が歪められるかが、研究結果を踏まえた考察から理解できるようになります。
話題が身近で分かりやすく、気がつけば、あっという間に読み切ってしまいました!入門にはうってつけの名著です!
この本に魅せられたキラーフレーズ
直感が示す道は本当に正しいのかどうかを考えてみることが重要だ。
目標も目的も願望も持ってるけど、現実にはそれらが日々の行動には全く結びつかない。
なぜ私たちはいつも不合理な選択をしてしまうのか。

著者紹介:ダン・アリエリー
デューク大学教授。1967年生まれ。ノースカロライナ大学チャペルヒル校で認知心理学の修士号と博士号、デューク大学で経営学の博士号を取得。その後、マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローン経営大学院とメディアラボの教授職を兼務した。
この間、カリフォルニア大学バークレー校、プリンストン高等研究所などにも籍を置いている。また、ユニークな実験によりイグ・ノーベル賞を受賞している。
「BOOK」データベースより
気になったキーワードをピックアップ
この本を読んで目からウロコのキーワードを解説します。
なぜダイエットが失敗するのか?
現在の小さな満足?将来の大きな満足?
「アリエリー教授の「行動経済学」入門 」より
私も含めて、誰しもダイエットを決意した瞬間、頭の中で描く「将来の自分」は常に理想的であり、必ずダイエットを成功させて筋肉隆々のイメージ。
しかし、残念ながら現実的には、その理想化された「将来」はやってこず、「現在の自分」はいつも目先の誘惑に負けるという大失態を犯し続けています。
私たち人類の脳は生存のために「今ある報酬」を先に優先するようにプログラムされているため、将来を当てにせず、目先の損得で判断する傾向にあります。
「ものの価値」が先送りすればするほど下がっていく現象を、行動経済学用語で「双曲割引」と呼び、私たちは将来の価値は現在の誘惑に負ける非合理的な行動をしてしまうとしています。
それを避けるには現在の自分にごほうびを与える「代替報酬」が有効です。
私の場合、毎朝の筋トレのあとには必ずコーヒーを飲む習慣があるので、コーヒーを代替報酬と考え、もうちょっとで大好きなコーヒータイムと言い聞かせたり、筋トレ中の知的動画を聞く楽しみもまた代替報酬になっています。
将来の目標も大事ですが、理念だけでは現実には実際勝てません。
人が「現在」を生きる以上、誘惑に負ける「今の自分」を励ます方法を知っていることは、非常に実用的なアドバイスになります。

クレジットカード VS 現金
消費と支払いのタイミングが同時だというのが、現金払いが嫌な理由のひとつ
「アリエリー教授の「行動経済学」入門 」より
いつしか気づいたら使い始めていたクレジットカード。今ではキャッシュレスの世の中にあって、なくてはならない必需品です。
使い始めの頃は、なぜ支払いが同時ではなく、後払いになるのかが分からず、つい使いすぎることを恐れていましたが、本書では、まさにその理由が示されています。
せっかく楽しんだランチやディナー、お買い物も、いざ支払う段階で現金を取り出し、それを手放す光景を目にすると、脳のMRIで身体的苦痛を示す脳の部位が活性化されることがわかっています。
本書では、私たちが現金で支払うことは、げんこつで殴られるような痛みを伴う行為であり、これを「出費の痛み」と定義しています。
せっかく楽しんだあとに、毎回殴られたくないですよね?笑
だから私たちは、現金を払うのでなく、クレカを切ったり、サインをしたりと、おおよそ現金で支払った感覚を薄めるため、「支払い」という苦痛を取り除き、楽しい経験を最後の最後まで楽しむことができるようになったのです。
また「支払のタイミング」を「後払い」にして、口座から引き落とさせる手法も同様に「出費の痛み」を感じづらくなります。
娘が通う学校では、未だに給食費などを収納袋に入れて回収していますが、毎月、現金を財布から出すたび、その大小に拘らず、出費の痛みを感じています笑
これほどキャッシュレスが進んだ中でも、直接引き落としのデビットカード決済でなく、クレジット決済が流行っているのは、そのような絶妙な人の心理を計算された策略であることが理解できました。
財布のヒモをゆるめる方法
心の中の「お財布」とは?
「アリエリー教授の「行動経済学」入門 」より
昨今乱立している「〜ペイ」。なぜ、これほどまでにたくさんの企業が決済サービスに走るのでしょうか?
その秘密の鍵を握るのが「心の会計」と呼ばれる行動経済学用語です。
「心の会計」ではお金が用途ごとに、別々の財布に厳格に分けられていると思ってしまう心理。
心の中に別の「財布」を作ると、人は普段と違う行動をとってしまうのです。
代表例がラスベガスなどのカジノのチップ制やパチンコのカード方式。
チップやカードが新たな「心の財布」となり、例え全部なくなっても「娯楽費」と計算され、心の痛みが感じづらくなります。
もしカジノやパチンコで、ストットマシンに現金を直接投入したら、どう感じますか?負け続けたら、精神的苦痛が辛すぎて、すぐ止めてしまうでしょう!企業も儲けられませんよね!よくできています笑
ちなみに「儲ける」の漢字は「信じる」と「者」。意味深ですよねー笑(*´ω`*)
また、私もよくメリカリで売ったり買ったりしますが、せっかく売ってメルカリのポイントを貯めても、現金化することなく、そのままメルカリ内の商品を買ってしまいます。
現金化するには手数料もかかり、うまく丸め込まれているとは分かっていても、やっぱり企業の術中にハマってしまうんですよね。
頭がいい人が作る社会って、ほんとに人の心理まで考え抜かれているんですね!本書を通じて、あらためて納得しました笑

さいごに
私たち人は非合理的な「感情」と合理的な「理性」を持ち合わせた不思議な動物です。
2つのOSが互いに綱引きをしているため、その間で色々なエラーが起きて、つい、思いもよらぬような「非合理的な」行動を行ってしまいます。
以前はそのたびに、その原因を意志の弱さのせいにして、いたずらに自分を責めていましたが、現在では、それも含めて、自分なのだと理解し、受け入れるようになりました。
「行動経済学」はいわば人の取説。
「私たちは間違える」ということを前提に行動すれば、あらかじめエラーも予測することが容易になります。
わずか値段600円前後の文庫本ですが、もたらす知恵は絶大です。今回紹介した事例だけでなく、余すところなくすべてが面白い、間違いなく「お値段以上」の良書です!
私のブログが今回紹介した本を手に取るきっかけになれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。